準決勝 ドイツ0-2イタリア

 ぼくが今大会の技術レポートを書くとすれば、運動量あるCMF(ボランチ)の重要性ということだろう。フランスのヴィエラマケレレ、イタリアのガットゥーゾ、ドイツのフリングス。守備専の選手の重要性があらためて確認された大会だった。例によって戦術的には世界の最先端を行ってるイタリアは、そこをくぐり抜けるべくピルロボランチの位置においてプレッシャーを逃れたわけである。何度もくりかえしてるけど、トッティがマークで何もできなくなったときでも、ピルロがあの位置から球出しをできるんでイタリアは強いのだ。

 この試合の場合、前半、シュヴァインシュタイガーに替わって出たボロウスキが前に突っ込みすぎてピルロにちゃんとプレッシャーをかけていなかったので、ほぼピルロがやりたいようにやっていた。もはやOMF(メイヤ)ですら守備をしないとサッカーにならない時代になったということでもある。後半に入ると修正してきたのはさすがだけど、最後決めたのはやっぱりピルロだった。ドイツはPK戦には絶対の自信を持ってたんだろうけど、それが逆に徒になったような気もする。

 クローゼがよくディフェンダーを引きつけてポドルスキを自由にしてたんだが、最後のところでシュートが正面に飛んでしまった。クリンスマンの選手交代もほぼ理詰めで計画通りだったんだけど、交代で入ったシュヴァインシュタイガーがあまり効かなかった(たぶん入れ込みすぎ)のが計算違いだったかな。まあこのチームの本領発揮は南アフリカ大会のはずなんで、イタリアが勝つのは実力通りだろう。