たとえ敗れようとも

鹿島2(2-0)0FC東京味の素スタジアム

アレックス・ミネイロとフェルナンド、野沢が負傷欠場の鹿島はコオロキ、増田とユース世代が二人もメンバーに入るかなりしんどいメンバー構成。しかし、それ以上にヤバかったのはFC東京の前線。まったく怖さがなく、セットプレー以外はほとんどチャンスらしいチャンスもない。希望の星であるはずの石川直もスピード以外にはまったく見るべきところがない。スペースに出したボールにせーので競争するというシチュエーションならまだ勝負になるが、一度DFと正対してしまうともう何もできないのである。今の鹿島でいちばんヤバイと言われる両サイドバックの片割れ、石川が余裕をもってボールを奪ってしまうというくらいで……

今日のMVPはボランチのポジションに入った小笠原。緩急自在のゲームコントロールに加えて的確なボールカット。あの落ち着きぶりは素晴らしい。ピッチ上の22人の中で、一人だけ違うレベルのサッカーをしていた。

東京の攻め手はほとんどカウンターしかなく、鹿島がボールをキープしだすと取りにくることすらしない。サポーターは盛大にブーイングしていたものの、あれ、どっちかと言えばホームで相手DFにボールを回されてもプレッシャーすらかけない味方FWにブーイングした方がいいんじゃないか?

「VIVA東京 たとえ敗れようとも」という横断幕が出ていた。「勝てば官軍、何を言われようとしょせんは負け犬の遠吠え」をチームカラーにする鹿島相手に試合前からそれじゃあね。先制点を取った途端にお得意省エネサッカーをはじめた鹿島が後半PKミスとかあって攻め込まれていたけれど、まったく負ける気がしなかった。東京、どっちかと言えばJ2降格を心配した方がいいと思う。